高島屋株に旧村上ファンド系が5.32%出資!ガバナンス改革への期待と株価動向を徹底解説

旧村上ファンド系シティインデックスイレブンスが高島屋株5.32%を取得、その背景と市場インパクト
百貨店大手の高島屋(東証プライム8233)の株主構成に、大きな変化が生じました。旧村上ファンド系アクティビストとして知られるシティインデックスイレブンスが2025年9月22日付で大量保有報告書を提出し、共同保有者の野村絢氏と合わせて5.32%を保有していることが判明しました。報告義務発生日は9月12日。保有目的について同社は「投資および状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行う」と記載しています。ロイター電
大量保有報告書のポイント
関東財務局に提出された報告書によれば、今回の保有比率5.32%は、同社が高島屋に対して「重要提案行為」を行える5%超えラインを超過したことを意味します。市況では「さらなる株主還元要求や事業ポートフォリオの見直し提案が出るのでは」との観測も聞かれますが、現時点で具体的提案は明示されていません。
- 報告書提出日:2025年9月22日
- 報告義務発生日:2025年9月12日
- 共同保有者:野村絢氏
- 保有目的:投資+助言・提案行為
シティインデックスイレブンスとは
同社は旧村上ファンド出身者が運営する投資会社で、上場企業の経営効率向上を目的としたエンゲージメント活動で知られます。近年はジャフコグループやアークランドサービスHDなどでも5%超の株式を取得し、経営陣との対話を進めてきました。他社事例(ロイター)
高島屋の企業概況
1831年創業の同社は、国内外に百貨店や専門店を展開し、近年は不動産開発やEC拡充にも注力しています。発行済み株式総数は2024年9月1日の株式分割後で3億2765万5216株。事業年度は3月1日から翌年2月末日までで、定時株主総会は毎年5月に開催されます。高島屋IRサイト
株価の動きと市場の受け止め
シティの大量保有が明らかになった後、株価は一時急伸しましたが、9月24日には1,579.5円(前日比−3.95%)と9日ぶりに反落。短期的な利益確定売りが優勢となった一方、「物言う株主」の参入で中長期的な企業価値向上への期待も根強く、出来高は高水準で推移しました。みんかぶ市況
今後の注目点—アクティビスト提案と高島屋の対応
①株主還元策の拡充(自社株買い・増配)②不採算店舗の整理③不動産・ECなど成長領域への資本配分最適化——といった論点が市場関係者の間で語られています。高島屋は伝統的に安定配当を維持してきましたが、さらなるROE向上が課題。シティ側が経営陣との対話深化を図る過程で、ガバナンス体制や資本政策にどのような提案が出るか、次回の報告書や決算説明会は要チェックです。
まとめ
- 旧村上ファンド系が5%超を取得し、議決権行使を伴う積極的エンゲージメントが可能に。
- 株価は短期的には乱高下も、ガバナンス改善や資本効率向上への期待が中長期で支え。
- 今後は高島屋のIR姿勢と具体的提案内容が焦点。百貨店業界の構造転換期における「株主対話」の成否が注目されます。

石井英治
資金調達アドバイザーとして企業・個人の資金繰りのサポートを行う。モットーは「資金調達は安全で信頼できるサービスを選べ」。業界歴25年。