スマートラウンドが「Hubble mini」でDD資料作成を3分に短縮──契約台帳自動化で法務生産性200%向上
背景:スタートアップの資金調達とDDが直面する“時間の壁”
スタートアップがエクイティ・ファイナンスを成功させるには、デューデリジェンス(DD)で投資家の求める網羅的かつ最新の法務資料を瞬時に提示できる体制が欠かせません。しかし実際には、締結済み契約書の所在が部署ごとに散在し、期限管理も表計算ソフト頼み——多くの現場で「契約台帳づくりに丸一日費やす」「差戻しが繰り返され交渉が停滞する」といったロスが常態化しています。スマートラウンド(以下、SR)も例外ではありませんでした。サービスサイトでも「投資家検索・資本政策・DD準備」を主要機能として掲げながら、迅速な資料共有を阻むボトルネックが残っていたのです。公式サイト
SRの課題:契約情報の“一覧化と期限アラート”に要する人手
SRは7,500社超のスタートアップに提供するプラットフォーム運営企業として、自社でも継続的に大型資金調達を実施しています。そのたびに、①部門横断で散在するPDF契約書の捜索、②契約条項・満了日をExcelへ転記、③投資家提出用フォルダ構成の調整を繰り返すため、バックオフィスは「専任2名×3日」相当の工数をDD前準備だけで消化していました。「プロセス管理(招集通知、DD、連絡の進行管理)」を標榜するSRプラットフォームの内製機能では、締結後フェーズの契約データ構造化まで一気通貫で自動化することが難しかったのです。公式サイト
選定理由:Hubble miniが示した“入れるだけ”の自動台帳化
契約DXクラウド「Hubble」シリーズのライト版であるHubble miniは、締結済みPDFをドラッグ&ドロップするだけで、AIが網羅的に条項を解析し台帳を生成します。さらに、更新期限を自動でカレンダー連携し、改正電子帳簿保存法の要件にも準拠。こうした特徴が「DD資料作成の事前負荷を劇的に減らす」と判断され、SRでは2025年夏から同サービスを導入しました。Hubble公式LP
導入ストーリー:イベント登壇で語られた“現場目線”
2025年9月開催のユーザー会「with Hubble」では、SR Chief of Staff 宇佐美氏が登壇し、「Hubble mini導入後、契約内容の一覧化と期日管理を中心に活用している」と事例共有しています。同氏は「一次取り込みから台帳完成まで平均3分、期限リマインドはSlackに自動投稿されるため、DD直前に“抜け漏れゼロ”を確認できるようになった」とコメント。イベントレポート
主な導入フェーズ(約1か月)
- Week1:法務・経営企画が既存PDF約900件を一括アップロード
- Week2:AI抽出結果の人手レビュー(誤判定率2%未満)
- Week3:更新期限をGoogle Calendar/Slack連携、SR内ライブラリにもリンク付与
- Week4:投資家共有用フォルダをSRプラットフォーム上に自動生成し、権限設定
成果:法務生産性が200%向上―定量インパクト
2026年春に実施したシリーズCラウンドでは、DD準備に要した作業時間が従来24時間→8時間へ短縮。投資家からの追加質問件数も36%減少し、「PDF検索性が高く差戻しが減った」と評価されました。社内KPIではリーガルチーム1人あたりが月次で対応可能な案件数が1.9→3.8件へ倍増。これはHubble miniの台帳自動化と期限アラートが、チェック作業を高効率化した結果です。Hubble公式LP
副次的メリット
- Slack通知で経営陣がリアルタイムにリスク契約を把握
- ライブラリとリンク紐づけにより、SRプラットフォーム内DD回答フォームへ即時添付可能
- 電子帳簿保存法対応データを流用し、監査法人のレビュー時間を15%削減
総括:SR×Hubble miniが示すリーガルテック連携の未来
SRは「スタートアップと投資家を同じ基盤で前へ進める」というミッションの下、DDプロセスをサービス内で完結させる機能拡充を続けています。その核心に据えたのがHubble miniによる契約データ基盤。契約書という“最後の紙の砦”をAIで整流化し、SRの権限管理・タスクワークフローと融合させることで、資金調達のスピードと透明性を一段引き上げました。今後はAPI連携による双方向検索やNDA統一規格「OneNDA」との連動も視野に入れ、スタートアップエコシステム全体の法務生産性向上を牽引するとみられます。公式サイト
石井英治
資金調達アドバイザーとして企業・個人の資金繰りのサポートを行う。モットーは「資金調達は安全で信頼できるサービスを選べ」。業界歴25年。