後払い決済の常識を覆す「1click後払い」徹底解説|仕組み・費用・導入メリットを公式情報で検証

石井英治 請求書カード払い

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1click後払いとは?

1click後払い」は、株式会社ROBOT PAYMENTが2022年10月に提供を開始した請求書カード払いサービスです。買い手企業は受領した請求書をそのままカード決済へ切り替えられ、最長60日後にクレジットカード会社へ支払うしくみのため、資金繰りを柔軟に調整できます。サービス開始から約3年で累計決済金額50億円を突破するなど、中小企業を中心に急速に普及しています(プレスリリース 2025年7月16日)。

銀行振込が主流だったBtoB決済領域に「カード×後払い」という新しい選択肢をもたらし、法人間取引のDXを推進している点が大きな特徴です。

誕生の背景と市場ニーズ

日本企業の99.7%を占める中小企業は、景気変動や原材料高騰などでキャッシュフローが不安定になりがちです。従来の銀行融資やファクタリングは手続きや審査が煩雑で、必要なタイミングで資金を確保できないケースもありました。そこで「1click後払い」は、クレジットカードの与信枠を活用して“最短60秒で資金調達”を実現し、事業者の資金繰り課題を解消するソリューションとして誕生しました(プレスリリース 2022年10月)。

同社の年間カード決済取扱高は約950億円と実績豊富で、決済代行ノウハウを活かしたサービス設計が信頼を支えています。

サービスの仕組み

買い手企業のフロー

  • 受領した請求書を専用画面にアップロード
  • 利用カードを選択し決済ボタンをクリック
  • カード会社の支払日まで最大60日間キャッシュアウト延長

売り手企業のフロー

  • ROBOT PAYMENTが代金を立替払い(最短3営業日)
  • 売り手側は通常通り入金確認でき、回収リスクを軽減

振込スケジュールは2023年5月の改善で「最短5営業日→3営業日」へ短縮され、急な支払にも対応しやすくなりました(プレスリリース 2023年5月25日)。

導入メリット

1. 資金繰り改善:カードの締め支払日を活用し、支払サイトを最長60日延長。
2. 業務効率化:書類提出や審査不要、オンライン完結で経理工数を削減。
3. 取引先への影響ゼロ:立替払いのため、買い手がサービスを利用していることを売り手に知られにくい。
4. 与信スコア向上:支払遅延リスクを抑えることで、取引全体の信用力向上に寄与。

これらのメリットが評価され、製造業・IT企業・広告代理店など幅広い業種での採用が進んでいます。

手数料とコスト構造

利用料は決済手数料のみ(3.5〜5.0%前後)で、初期費用・月額費用は発生しません。カードポイントやマイル還元を考慮すると、実質コストを抑えながら資金調達できる点が支持されています。具体的な料率は取扱高や業種により変動するため、個別見積もりが必要です(サービスサイト)。

銀行融資の利息やファクタリングの買戻請求リスクと比較して、シンプルかつ透明な料金体系が特徴です。

セキュリティと特許取得

同サービスはVisaの「BPSP(Business Payment Solution Provider)」およびJCBの「BtoB決済ソリューション取引」に準拠し、PCI DSSレベル1のセキュリティ基準を満たしています。2023年8月には請求書カード払いに関する特許も取得し、独自アルゴリズムによる不正検知と与信モデルが高く評価されています(プレスリリース 2023年8月17日)。

情報はTLS1.2以上で暗号化され、顧客カード情報は同社決済基盤にトークナイズして保管。これにより、買い手・売り手双方のリスクを最小化しています。

実績と導入事例

サービス開始から3年で累計決済金額50億円を達成し、登録企業数は6000社を突破しました(プレスリリース 2025年7月17日)。

  • 広告代理店A社:大型キャンペーン前の仕入資金を確保し、売上150%増
  • 製造業B社:部材購入費をカード決済化し、短期運転資金を温存
  • SaaS企業C社:外注費の支払サイト延長で月次キャッシュフローを平準化

これら事例は、業種や取引規模を問わず効果が期待できることを示しています。

他サービスとの比較

ファクタリング:買い取り型は手数料10〜20%と高率で、売掛金譲渡の通知義務が生じる場合あり。
銀行ビジネスローン:金利3〜8%程度だが審査期間が長く、財務資料の提出が必須。
1click後払い:3.5〜5.0%の手数料のみ、書類不要で即時決済。取引先に知られず利用可能。

スピードとコストのバランスを重視する企業にとって、1click後払いが優位性を発揮するポイントが明確です。

今後の展開

ROBOT PAYMENTは、外部会計ソフトや受発注プラットフォームとのAPI連携を強化し、バックオフィス自動化を推進すると発表しています。また、利用可能カードブランドの追加や海外取引対応も検討中で、法人間決済のさらなる利便性向上が期待されます(プレスリリース 2024年3月)。

同社は「企業の経営インフラになる」をビジョンに掲げ、サブスク請求管理サービス「サブスクペイ」との連携強化やノンバンク融資領域への拡大も視野に入れています。

まとめ

1click後払いは、“クリックひとつで資金調達”を実現するBtoB決済ソリューションです。最短3営業日の立替払いと最大60日の支払サイト延長により、中小企業の資金繰りを劇的に改善します。特許取得済みの安全設計と実績50億円超という信頼性を背景に、法人間決済の新スタンダードとして定着しつつあります。キャッシュフローの課題を抱える企業は、まずは無料資料請求から導入を検討してみてはいかがでしょうか。

セキュリティと個人情報保護

「1click後払い」はクレジットカード番号をトークン化し、加盟店には実番号を渡さない方式を採用しています。これによりPCI DSSの保護対象範囲を最小化し、情報漏えいリスクを抑えています。さらに3-D Secure 2.0を用いたワンタイム認証を組み合わせることで、不正利用率はカード決済平均の半分以下にとどまるとされています(PCI DSS公式)。

一方、後払いゆえに消費者が支払わないまま商品を受け取る「チャージバック」事案が増加傾向です。国民生活センターは2025年3月、「身に覚えのない後払い請求」相談が前年比18%増と発表し、利用前の明細確認を呼び掛けています(国民生活センター)。

  • 事前登録端末の限定:同一端末+生体認証による二段階確認。
  • 不正検知AI:端末指紋や購買履歴でリアルタイムスコアリング。
  • 個人情報の保存期間:最短90日で自動マスキング。

加盟店側コストとキャッシュフロー管理

決済手数料は平均3.5%前後でカード決済より高めですが、購買単価が12%上がるとの統計もあり、EC事業者は費用対効果を見極める必要があります。与信審査は決済代行会社が負担し、未回収債権は三営業日以内に買取保証されるケースが多いため、キャッシュフローは安定します。ただし遅延損害金の一部を加盟店が負担する契約もあるため、契約書の精査が不可欠です(金融庁資料)。

導入時にはAPI接続費やKYC対応費も発生します。特にリアル店舗でのQR統合運用では、POS改修コストが平均50万円程度かかるとの業界調査が示されており、中小店舗は補助金制度の活用が推奨されます。

記事ライター

石井英治

資金調達アドバイザーとして企業・個人の資金繰りのサポートを行う。モットーは「資金調達は安全で信頼できるサービスを選べ」。業界歴25年。
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