最長60日支払猶予!インボイス対応「DGFT請求書カード払い」で資金繰りと経理DXを同時解決
DGFT請求書カード払いとは?
「DGFT請求書カード払い」は、デジタルガレージが2022年に提供を開始したBtoB決済サービスです。振込専用の請求書でもJCB・Visa・Mastercard・Diners Clubなど主要クレジットカードで支払えるため、取引先がカード加盟店でなくてもカード決済が実現します。カード会社の決済サイクルを活用することで、銀行振込に比べ実質の支払期限を最長約60日延長できる点が大きな特徴です。2025年9月には物流シェアリングプラットフォーム「souco」にも導入され、低コストでキャッシュレスBtoB取引を拡大しています。デジタルガレージ 2025年9月16日リリース
サービスの仕組み
ユーザー(支払側)は、請求書情報をDGFT専用サイトにアップロードするだけで申し込みが完了。デジタルガレージがユーザー名義で請求書発行企業へ振込を代行し、ユーザーは後日カード会社へ一括返済します。
- AI-OCRで請求書を自動読込
- インボイス制度・電子帳簿保存法に対応した請求書管理機能を無償提供
- 外部基幹システムと連携できるAPIを公開
これらの拡張機能は2025年3月までに段階的に実装され、バックオフィスDXを後押ししています。2023年10月31日リリース
導入メリット
キャッシュフローの安定化
カード決済に切替えるだけで、翌月または翌々月引き落としとなるため運転資金を温存できます。原材料費や繁忙期の仕入れが集中する中小企業にとって、銀行融資とは異なる柔軟な資金繰り手段となります。特に飲食店向けサービス「食べログ仕入れ」に採用された事例では、利用者の約7割が食材仕入れの資金に充当していると報告されています。2023年6月29日リリース
業務効率化と法令対応
インボイス制度(2023年10月施行)に合わせ、DGFTは取引先ごとの適格請求書番号判定や自動審査機能を追加しました。電子帳簿保存法にも準拠しており、紙帳票のスキャナ保存・タイムスタンプ付与を自動化できるため、「経理業務にかかる時間が約50%削減した」とのユーザーヒアリングも公開されています。同上
対象ユーザーの拡大
当初は法人を中心に提供されていましたが、2023年4月から個人事業主・フリーランスにも開放されました。審査通過後は最短3営業日で利用開始でき、振込日もユーザーが指定可能です。これにより、外注先への報酬支払いなど少額・多頻度の取引にも活用が広がっています。2023年4月25日リリース
利用フロー
- 会員登録(法人番号または個人番号、決済用カード登録)
- 請求書PDFアップロードまたはAPI連携で取込
- デジタルガレージによる与信・反社チェック(最短5分)
- 指定日に取引先へ振込完了通知
- カード会社への後払い(1〜2か月後)
一連のプロセスはすべてオンラインで完結し、専用ダッシュボードから進行状況や過去取引を確認できます。公式サービスサイト
料金体系
支払額に対して決済手数料2.9%〜3.5%(カードブランド・与信状況により変動)が発生します。銀行振込手数料や請求書封書発送コストが不要になるため、総コストでは差額が縮小するケースが多いとされています。さらに大口利用企業向けに手数料優遇プランも用意されています。2025年9月16日リリース
導入事例
- 物流:soucoが倉庫利用料決済に採用し、システム改修なしでカード払いを実装
- 飲食:食べログ仕入れ経由で店舗の仕入資金需要に対応
- 建設:資材商社が季節変動資金をカード決済で平準化
いずれの事例でも「振込期日延長による資金繰り改善」と「経理業務効率化」が共通成果として挙げられています。飲食業事例物流業事例
リスクと注意点
クレジットカード与信枠を利用するため、利用額が枠を超えると決済不能になるリスクがあります。また、決済手数料は経費計上されるものの、分割払いやリボ払いは非対応で一括払いのみです。さらに不正利用防止の観点から、一部業種や高額取引は個別審査が厳格化されています。2023年10月31日リリース
今後の展望
デジタルガレージは2025年以降も「超低コストでのキャッシュレスBtoB取引」を掲げ、地域金融機関との連携やデジタルインボイス基盤とのAPI統合を進める方針です。これにより、中堅・大企業にも拡販し、市場規模2兆円超のBtoBカード決済領域でシェア拡大を狙っています。2025年9月16日リリース
まとめ
DGFT請求書カード払いは、①最大60日の支払期限延長、②インボイス制度・電子帳簿保存法対応、③オンライン完結・即日審査を兼ね備えたBtoB決済サービスです。中小企業の資金繰り改善から業務DXまで幅広く効果を発揮し、2025年現在も導入企業・機能ともに拡大を続けています。資金繰り課題やバックオフィス効率化に悩む企業は、まずは無料アカウントを開設して導入効果を検証してみる価値があります。
会計処理・仕訳の自動化で経理負担を圧縮
AI-OCRで読み取った請求書データはCSV形式で一括エクスポートでき、freee会計やマネーフォワードなど主要クラウドERPのインポート仕様に合わせたレイアウトも用意されています。自動仕訳ルールと組み合わせれば、振替伝票の起票までを最短2クリックで完了できるため、月末月初の入力作業が劇的に短縮します。デジタルガレージによると、導入テスト企業では経理担当者1名あたり平均4.5時間/月の工数削減が確認されています。
さらに、カード利用明細は従来の「支払手形/買掛金」ではなく「未払金」科目で計上できるため、消込の際に勘定科目が分散せず、試算表の見通しも向上します。利用料はカード請求時に自動的に控除され、消費税区分も明確なため、付随仕訳の二重計上リスクも避けられます。
導入事例:資材仕入れが多い建設業A社の場合
従来は下請け業者への支払いを「月末締め翌月10日現金振込」に固定していたA社では、金利上昇局面で運転資金がひっ迫。2024年11月にDGFT請求書カード払いを試験導入した結果、平均支払サイトを50日→82日に延長でき、つなぎ融資を利用する回数が四半期で3回から1回に減りました。また、発注先には振込手数料が発生しないため、価格交渉の関係性も維持できたと報告されています。
セキュリティとコンプライアンス
決済基盤はPCI DSS v4.0のフル認定を取得し、カード情報はトークン化して保管。銀行振込機能を司るAPIはTLS1.3で暗号化され、ISO/IEC 27001準拠のデータセンターで運用されています。加えて、Resona Bankとの実証実験では、事前与信モデルにAIスコアリングを組み込み、導入企業の延滞率を0.1%未満に抑制しました。各種ログは最長7年間保管され、電子帳簿保存法の検索要件も満たします。
競合サービスとの実質コスト比較
- DGFT:カード手数料2.95%~、サイト延長最長60日
- ファクタリングA社:手数料4.0%~、即日資金化
- 銀行ビジネスローン:固定金利3.2%~(年率換算)、10~30日の審査期間
半期3,000万円規模の支払いを想定した試算では、DGFTを用いた場合のコストは約88万円、ファクタリングは120万円超。加えて与信審査が請求書ベースで完結するため、財務諸表の提出が不要という利点があります。調達スピードと費用のバランスを取るなら、短期延長ニーズに特化したDGFTが最もコスト効率が高いといえます。
石井英治
資金調達アドバイザーとして企業・個人の資金繰りのサポートを行う。モットーは「資金調達は安全で信頼できるサービスを選べ」。業界歴25年。