BtoB決済をスマート化!クレカQUICK(都度支払)の特徴から導入手順まで完全ガイド

石井英治 請求書カード払い

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クレカQUICK(都度支払)とは

「クレカQUICK(都度支払)」は、SBIビジネス・ソリューションズが提供するクラウド請求書管理システム「請求QUICK」に標準搭載されたBtoB向けオンライン決済機能です。発行した請求書をメールで送付し、取引先は画面上でクレジットカード情報を入力するだけで決済が完了します。銀行振込に比べて回収までの工数を大幅に削減できるだけでなく、未回収リスクを抑制できる点が大きな特徴です。公式サイトによると、本機能は法人間取引専用で、法人カード・個人カードの両方が利用可能です。決済のたびに認証が走る「都度支払」形式を採用しており、取引先がカード登録を行えば2回目以降はワンクリックで決済が完結します。
さらに、月額費用は無料で、決済手数料は業界最安値水準(※2024年6月時点の例として2.24%)と公表されています。取引量が増えてもコストを抑えやすく、スタートアップや中小企業でも導入しやすい価格設計となっています。プレスリリース

利用フローと操作イメージ

請求書発行から決済完了まで

  1. 請求書を「請求QUICK」上で作成し、クレジットカード決済オプションを有効化。
  2. ワンクリックで請求書をメール送付。リンク先で取引先がカード情報を入力。
  3. 決済処理が完了すると、取引先と発行側双方に完了通知が届く。
  4. 決済代行会社の入金データは自動で取り込み、入金消込までワンクリック。

決済情報はリアルタイムで確認できるため、入金を待たずに出荷等の後工程へ進める点もメリットです。リスクチェックやチャージバック対応は決済代行会社が担うため、請求元は運用負荷を最小化できます。公式解説

手数料・コスト構造

初期費用・月額費用はともに無料で、都度支払の決済手数料は「業界最安値水準」と案内されています(参考値2.24%、2024年6月3日以降に申し込みの場合)。費用は決済額に対してのみ発生する従量課金型のため、請求件数が少ない企業でも無駄な固定費を抱えずに利用可能です。プレスリリース
銀行振込との比較では、振込手数料を削減できるほか、入金確認の自動化による人件費削減効果が期待できます。ファクタリングや立替払いを併用すれば、資金繰りの安定化にもつながります。

EMV 3-Dセキュアによる安全性

「クレカQUICK」は国際ブランド推奨の本人認証方式「EMV 3-Dセキュア」を標準搭載しています。カード発行会社がリスク判定を行い、必要な場合のみ追加認証を要求する仕組みのため、セキュリティとUXを両立。追加費用は不要で、不正利用や情報漏えいリスクを最小限に抑えられます。公式サイト

導入メリットと想定ユースケース

  • 未回収リスクの低減:カード決済のため与信管理の負荷を軽減。
  • 回収サイクルの短縮:カード会社から最短翌営業日で入金。
  • 業務効率化:入金消込・督促の自動化で経理作業を圧縮。
  • 顧客満足度向上:取引先は24時間いつでもオンライン決済が可能。

スポットコンサル料や制作費用など、決まったタイミングで発生する単発請求に最適です。また、継続課金機能と組み合わせれば、月額利用料や保守契約料などサブスク型の料金回収にも応用できます。

導入手順と注意点

導入ステップ

  1. 「請求QUICK」に無料登録し、企業情報を入力。
  2. クレジットカード加盟店審査に必要な書類をアップロード。
  3. 審査完了後、テスト決済を実施し運用開始。

加盟店審査には数日〜数週間かかる場合があるため、繁忙期前に余裕を持って申請すると安心です。なお、BtoC請求は対象外である点に注意してください。カードの有効期限切れや限度額オーバーで決済失敗となった場合は、再決済リンクの送付など個別対応が必要です。公式FAQ

PCI DSS v4.0とEMV 3-Dセキュアで強化されたセキュリティ体制

「クレカQUICK(都度支払)」は、決済代行会社ゼウスが2022年に取得したPCI DSS v4.0準拠環境と、カードブランド推奨のEMV 3-Dセキュアを標準搭載しています。これによりカード情報は暗号化されたままトークン化され、加盟店側のサーバーには機微データが残りません。国際基準への準拠状況はPCI SSCが公開する最新資料でも確認でき、2025年3月までの移行期間を前倒しでクリアしています。PCI SSC公式

さらにVisaの「Visa Token Service」を活用したネットワークトークンは、更新期限切れカードを自動置換しオーソリ率を平均2%向上させる実績があります。Visa公式

都度支払が真価を発揮するBtoBユースケース

継続課金ではなく単発請求を回収したい企業では、都度支払モデルのほうがキャッシュフローと顧客体験の両面でメリットが大きいです。代表例として、仕入先への一括購買やイベント出展料など「請求額が毎回変動する」取引が挙げられます。

  • 変動単価の卸売:重量や時価で金額が変わる青果・水産業者
  • 工事・保守:完了後の実費精算に合わせてカード決済
  • 広告代理店:月ごとに異なる入稿料や手数料をまとめて請求

これらは従来、銀行振込や現金集金が主流でしたが、クレカQUICKに置き換えることで締め日から最短20日の定期入金が可能となり、回収遅延リスクを大幅に削減できます。SBIビジネス・ソリューションズ公式

API連携と業務システムへの組み込みポイント

ゼウス提供のREST APIはJSONフォーマットで、/chargesエンドポイントに金額・通貨・顧客トークンをPOSTするだけで即時オーソリが完了します。請求書発行SaaS「請求QUICK」と同じ決済基盤を採用しているため、社内ERPとの連携は次の2ステップが基本です。

  1. 都度支払トークンをERPの得意先マスタに保存(PCI非保持型)
  2. 売上伝票確定時にAPIを呼び出して決済、結果を自動消込

Webhookにより決済成否・チャージバック通知をリアルタイム受信でき、社内ワークフローでの自動アラートも実装可能です。API詳細はゼウス開発者向けドキュメントを参照してください。ゼウス公式

チャージバック・不正利用対策と法規制への備え

都度支払では顧客都合の返品率が低くなる一方、法人カードの利用停止や限度額オーバーなどに起因するチャージバックはゼロにできません。クレカQUICKは以下のレイヤーで損失を最小化します。

  • EMV 3-Dセキュアによるライアビリティシフトで、本人認証成功取引の責任をカード発行会社へ移転
  • トランザクションリスクスコアリング(業種・金額・IPアドレスを機械学習で評価)
  • チャージバック発生時の証憑提出サポート(決済データ、配送伝票、メールログ)

また、2024年11月施行の改正割賦販売法ガイドラインでは、加盟店によるカード情報非保持と登録時のCVV削除が求められます。クレカQUICKはリンク型・API型いずれも要件を満たす設計となっており、追加開発なしで法令対応が完了します。SBPSガイドライン解説

継続課金との比較で見極める手数料と総コスト

都度支払の決済手数料は2.24%と継続課金と同水準ですが、月額固定費が0円のため、取引件数が少ない企業ほど有利になります。年間トータルコストの目安は下記の通りです。

  • 年間取引額500万円・件数300件 ⇒ 手数料約11.2万円+振込手数料0円
  • 定期課金SaaS(月額1万円)+同条件 ⇒ 手数料同等でも固定費12万円が上乗せ

固定費不要のモデルは、新規ビジネスで売上が読みづらいフェーズや、シーズン性の高いイベント企業にとってキャッシュアウトを抑える選択肢となります。

記事ライター

石井英治

資金調達アドバイザーとして企業・個人の資金繰りのサポートを行う。モットーは「資金調達は安全で信頼できるサービスを選べ」。業界歴25年。
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