最大60日支払繰延で資金繰り改善!弥生 請求書カード払いの仕組み・手数料・Misoca連携まで徹底解説

石井英治 請求書カード払い
弥生 請求書カード払いを利用する中小企業の経営者が、請求書とクレジットカードを使って資金繰りを改善する様子を描写しています。

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「弥生 請求書カード払い」とは?

「弥生 請求書カード払い」は、取引先から受け取った請求書をクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードで支払える弥生株式会社のBtoB決済サービスです。振込は最短当日、しかも支払実行者が指定した名義で行われるため、取引先にはカード利用が通知されません。借入ではなくカード決済を用いるため財務審査が不要で、Web上の簡単な登録だけで利用開始できます。資金繰りに悩む中小企業やフリーランスにとって、キャッシュフローを守りながら振込業務を効率化できる画期的な仕組みと言えます。詳しくは公式サービスページをご覧ください。

最大60日まで支払いを繰り延べ、キャッシュフローを改善

カード決済を選択すると、請求書の実質的な支払日を最大60日先まで繰り延ばせます。具体的には「カード決済日→カード締め日→カード引落日」というカード会社のスケジュールを活用し、請求書ごとの支払期限を柔軟に後ろ倒しできる仕組みです。たとえば月末締め翌月末払いのカードを使えば、請求書受領から実際の資金流出まで最長二か月の猶予が確保できます。その間、売上入金や季節需要に合わせて資金を有効活用できるため、「支払期日が先に来る」ストレスを大幅に軽減可能です。

正式リリース日と手数料キャンペーン

サービスは2024年9月26日に正式リリースされました。記念キャンペーンとして2025年1月7日まで決済手数料が業界最低水準の2.7%(最低390円)に割り引かれ、その後は基本料率3.5%が適用されます。手数料は請求書1件ごとに算定され、月間利用額が大きい場合は2.5%まで優遇される独自テーブルも用意されています。詳細は2024年9月26日付プレスリリースを確認してください。

利用対象・対応カード・上限/下限

  • 対象事業者:法人・個人事業主(日本国内)
  • 対応ブランド:VISA/Mastercard/JCB(個人カード利用可)
  • 利用可能額:カード利用枠の範囲内で上限・下限なし
  • 振込先:日本国内の銀行であれば制限なし
  • 社会保険料・オフィス家賃の支払いにも対応(条件あり)

上記は公式FAQに示された最新情報です。カード限度額の増枠や利用明細の締め日確認はあらかじめカード会社へ問い合わせると安心です。

申し込みから支払いまでの3ステップ

  1. 会員登録:事業者情報と振込先口座を入力(審査書類は原則不要)。
  2. 支払申請:請求書PDFをアップロードし、振込予定日を指定。
  3. 取引先へ振込:カード決済後、最短当日に指定口座へ立替振込。

操作はすべてWebで完結し、進捗はマイページでリアルタイム確認可能。振込完了メールも届くため内部統制書類として保存しやすい点が好評です。

対応する支払い範囲と留意点

「請求書カード払い」は、適格請求書や個人事業主発行の請求書だけでなく、法人社会保険料やオフィス賃料のPay-easy納付書にも対応しています。ただし家賃については事業利用に限定され、社宅や自宅分は対象外です。また海外口座への送金や外貨建取引には非対応なので、越境取引が多い業種は別途決済手段を検討しましょう。利用前に契約書や納付書など支払い内容を証明する資料のアップロードが必要なケースがある点にも注意してください。

導入メリット――資金調達以上の価値

  • 資金繰りの柔軟性:銀行融資より早く、借入ではないため負債計上不要。
  • 業務効率:銀行振込作業を省略、振込忘れ防止。
  • ポイント還元:カードポイントやマイルを事業経費で獲得。
  • 取引先満足度:最短当日入金で仕入先・協力会社の信頼向上。
  • 与信不要:決算書提出や担保設定が不要で、新設法人でも利用可。

これらのメリットにより、繁忙期の仕入増加や大型プロジェクト前の資金不足など「スポット資金需要」に強い経営体制を築けます。

「弥生 カード決済+」とのちがい

2025年7月に公開された「弥生 カード決済+」は、請求書を発行する側(売り手)がカード決済リンク付き請求書を作成できるサービスで、買い手のカード支払い手数料は1.98%です。対して「請求書カード払い」は支払う側(買い手)が既存の請求書をカードで支払う仕組み。両者を併用すれば、「自社が受け取る請求書」「自社が発行する請求書」双方でカード決済を取り込めるため、キャッシュフローと回収の両面を最適化できます。詳細は2025年7月24日付プレスリリースを参照してください。

まとめ:カード払いで経営をもっと強く、しなやかに

「弥生 請求書カード払い」は、従来の銀行振込中心だったBtoB決済をカードに置き換え、支払期日の延長・即日入金・業務効率化を同時に実現します。手数料はかかるものの、借入コストや資金ショートリスク、振込作業時間を総合的に考慮すると費用対効果は高いと言えるでしょう。まずは少額の請求書から試し、キャッシュフローの改善を実感してみてください。導入が進めば、経営の“緩衝材”として心強い味方になるはずです。

運用上の注意点とNGケース

弥生 請求書カード払いは便利ですが、申請画面で「支払予約」を確定した瞬間にカード決済が実行される仕組みです。そのため、カード締め日の直前に予約すると繰延べ日数が短くなる場合があります。また、海外口座への振込・海外企業との取引・個人宅の家賃などは対象外と公式FAQで明示されています。対象外取引を誤って申請するとキャンセル扱いになり、決済手数料が返金されないケースもあるので要注意です。最低手数料390円とサービス料3.5%(キャンペーン時2.7%)は請求単位で発生するため、少額請求をまとめて支払えばコスト効率が高まります。詳細は弥生公式を確認し、自社の運用ルールを整備してから導入しましょう。

履歴確認と電子帳簿保存への備え

管理画面には支払履歴・請求履歴が自動生成され、「支払先名称・決済日・振込日・ステータス」などで検索できます。CSV/PDF形式での出力にも対応しており、領収書データをそのまま保存すれば電子帳簿保存法の検索要件(取引日・金額・取引先)を満たせます。さらに、弥生会計やスマート証憑管理とID連携すれば仕訳取込がワンクリックで完了し、紙証憑のスキャン作業を大幅に削減できます。システム詳細や禁止行為は利用規約で公開されているので、社内規程に合わせて確認しておくと安心です。

記事ライター

石井英治

資金調達アドバイザーとして企業・個人の資金繰りのサポートを行う。モットーは「資金調達は安全で信頼できるサービスを選べ」。業界歴25年。
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