資金繰りを最大60日延ばす!GMO「請求書カード払い」でBtoB取引をカード決済化する方法とメリット徹底解説
請求書カード払い by GMOとは
「請求書カード払い by GMO」は、銀行振込が前提となっているBtoB取引でも、買い手企業が自社のクレジットカードで支払えるようにするGMOペイメントゲートウェイ(以下、GMO-PG)の決済サービスです。買い手は請求書情報をウェブ画面で登録するだけで、Visa・Mastercardなどのカード決済へ置き換えられるため、最大約60日先まで支払期日を延長しながら資金を有効活用できます。公式サービスページによれば、導入はオンライン完結で審査もスピーディー、手数料は業界最低水準とされています。
2023年11月27日にリリースが発表されて以降、銀行・カード会社・業務アプリ提供企業などとの提携を拡大し、カード利用者基盤を急速に広げています。サービス開始時点ではユーシーカード(UCカード)と連携し、Visa/Mastercardからスタートしました。2023年11月27日プレスリリースによると、今後も利用ブランドを順次追加し、BtoBキャッシュレスの選択肢を増やしていく方針です。
サービス誕生の背景
国内BtoB決済の主流は依然として銀行振込・手形であり、カード決済比率は1%未満と言われます。取引先がカード払いに対応していない場合、買い手はキャッシュフロー改善の選択肢を持てませんでした。GMO-PGは「GMO掛け払い」など後払いサービスの与信・審査ノウハウを持つ一方、年間取扱高12兆円超の堅牢な決済基盤を運営しています。その強みを活かし「請求書カード払い by GMO」を立ち上げ、買い手側主導でカード払いを実現できる仕組みを構築しました。
買い手企業が得られるメリット
- 資金繰りの改善:カードの締め日・引き落とし日を活用し、実質60日程度の支払猶予を確保。
- ポイント・マイル付与:法人カードのリワードを活かし、経費効率を高められる。
- ペーパーレス化:ウェブ管理画面で請求書・支払い状況を一元管理し、経理業務を効率化。
- 借入枠を温存:金融機関からの短期融資に頼らず、既存カード枠を活用できる。
これらのメリットは公式ページの「資金繰りの改善」「簡単3ステップで利用可能」といった説明でも強調されています。
売り手企業にとっての利点
売り手企業はカード加盟店契約やシステム改修を行わず、通常の銀行振込口座へ入金を受け取るだけで済みます。GMO-PGが買い手からのカード決済を立替払いするため、未回収リスクの低減と早期入金が可能になります。また、買い手側の決済手段が増えることで受注機会が拡大し、取引継続率の向上も期待できます。
利用の流れ(買い手企業)
- ウェブサイトで無料会員登録 ― 必要情報とカードを登録。
- 受領した請求書の項目(請求金額・振込期日など)を入力し申請。
- GMO-PGの審査通過後、カード決済完了。支払先へはGMO-PGが立替送金。
手続きはオンライン完結で、最短即日から利用可能です。公式サイトに掲載される「かんたん3ステップでご利用いただけます」の図解と同一フローになります。
対応カードブランドと提携パートナー
現時点で利用できる国際ブランドはVisa・Mastercard(UCカード発行分を含む)が中心で、UCカード特設ページからも申込導線が用意されています。また、アメリカン・エキスプレス利用者向けには専用サイト(AMEX専用ページ)が公開されており、今後も他ブランドや銀行との連携が予定されています。
料金・手数料
買い手企業が負担するカード決済手数料は「業界最低水準」とのみ公表され、具体的な料率は個別審査により提示されます。月額固定費や初期費用は不要(2025年11月時点)ですが、カード会社所定の分割・リボ手数料は別途発生する場合があります。詳細は申込時にGMO-PGが提示する利用規約を確認してください。
セキュリティと不正取引防止策
GMO-PGはPCI DSSおよびISO27001を取得し、行政機関向けも含む年間12兆円超の決済を安定処理するインフラを保有しています。請求書カード払いでは、10万件超の売掛審査実績を活かし、請求書真贋判定や循環取引チェックを実施。不正利用や与信枠現金化リスクを低減する専用ロジックを組み込み、安全性を担保しています。
導入シーン・活用例
- 取引量が季節変動で増えるEC事業者が、仕入原価の支払いをカード化して在庫確保。
- 広告代理店が媒体費をカード決済し、入金サイクルとズレる資金負担を緩和。
- スタートアップが大型設備投資の初期費用をカード払いし、資金調達コストを抑制。
- 地方自治体の外郭団体がクラウド導入費用をカード払いし、予算執行の柔軟性を確保。
多様な取引で「振込先は変更せずにカード枠だけ活用したい」というニーズに応える決済手段として広がり始めています。
まとめ
請求書カード払い by GMOは、買い手主導でカード決済を導入できる点が画期的です。資金繰り改善・未回収リスク低減・業務効率化という三つの課題を同時に解決し、BtoB市場のキャッシュレス化を一段加速させます。サービスサイトやプレスリリースで示されたとおり、今後は対応ブランド拡大とパートナー連携が進む見込みです。請求書振込をカード払いへ置き換えたい企業は、まずオンラインで資料請求し、自社のキャッシュフロー改善効果を試算してみるとよいでしょう。
セキュリティとコンプライアンス対応
カード決済を伴う請求書業務では、情報漏えいリスクを最小化する体制が不可欠です。請求書カード払い by GMO は、国際カードブランド6社が策定する PCI DSS v4.0 に準拠し、決済処理はすべてトークン化されたカード情報で行われます。加盟店側システムに実カード番号を保持させない構造のため、万一サーバが侵害されてもカード情報は取得されません。また、GMO PG グループの決済センターは ISMS(ISO/IEC 27001)を取得し、24時間365日のモニタリングを実施しています。運用面では SOC2 Type2 の外部監査を毎年受け、セキュリティログを第三者機関が点検する仕組みを採用している点も特徴です。公式セキュリティポリシー
- カード情報はトークン化し、加盟店に非保持化を実現
- 国内データセンターでの冗長構成と災害対策(BCP)を整備
- 不正検知エンジン「トラストケア」でリアルタイム検査
加えて、個人情報保護委員会のガイドラインを満たす Pマークを取得し、取引明細表示画面には改ざん検知機構(改ざん防止ハッシュ値)を実装。これにより、請求元・支払者双方が改ざんの有無を簡易確認でき、電子帳簿保存法が求める真実性・可視性を担保します。
基幹・外部サービスとの連携性
システム連携の容易さも導入検討時に見落とせません。請求書カード払い by GMO は REST API と SFTP の二系統を用意し、ERP・販売管理・会計 SaaS との結合を簡素化しています。たとえば「SAP S/4HANA Cloud」や「Money Forward クラウド請求書」とは API 連携テンプレートが公開され、開発工数を約50%削減した事例が報告されています。CSV バルク取込機能もあり、レガシーシステムからでも最短翌営業日に運用を開始できます。サービス紹介ページ
- 取引登録 API:取引番号・支払期日・金額を送信すると即時に決済 URL を発行
- ステータス照会 API:支払済・エラー・取消などをリアルタイム取得
- Webhook:支払完了時に自動コールバックし、債権管理を自動化
これらの連携機能を活用すれば、請求~回収~消込までをワンフロー化でき、属人的になりがちな督促業務も大幅に削減できます。結果として、財務担当者は付加価値の高い分析・提案業務へリソースを再配分できる点が大きなメリットです。
石井英治
資金調達アドバイザーとして企業・個人の資金繰りのサポートを行う。モットーは「資金調達は安全で信頼できるサービスを選べ」。業界歴25年。