手数料2.98%で資金繰りを40日延ばす!JCB「請求書カード払い」徹底解説【最新公式情報】
JCB「請求書カード払い」とは
「請求書カード払い」は、取引先から受け取った銀行振込用の請求書を自社のJCBカード決済に切り替えられるB to B向けサービスです。2023年2月10日にJCBとデジタルガレージが共同で提供を開始し、アカウント登録料は無料、業界最安水準とされる決済手数料2.98%で利用できます。カードで立替払いされた金額は最短約40日後に口座引き落としとなるため、資金調達をせずとも実質的に支払期日を延長できる点が特徴です。公式サイト が掲げるタグライン「資金を借りずに支払い期限を先延ばし」はこの仕組みを端的に表しています。
本サービスは法人および個人事業主が対象で、JCBグループ発行のカード会員であれば申し込み当日から利用が可能です。取引先がクレジットカード決済に対応していない場合でも、デジタルガレージが代行して銀行振込を実行するため、カード利用可能先を開拓する手間は不要です。2022年11月提供の「DGFT請求書カード払い」で得られた知見を生かし、不正利用防止の3Dセキュアや二段階認証が標準装備され、セキュリティ面でも安心して導入できます。ニュースリリース
サービスの仕組み
利用者は専用ポータルで請求書情報・取引先情報・JCBカード情報を登録し、決済実行ボタンを押すだけで手続きが完了します。登録情報を受けたデジタルガレージが取引先へ銀行振込を行い、ユーザーのカード利用データとしてJCBに送信。締日にまとめてカード会社へ請求され、引き落としは最短で翌々月初となるため、月末締め請求書であれば約40日の猶予が生まれます。公式サイト
立替払いの実務はデジタルガレージが担うため、利用者・取引先ともに口座情報の変更や追加契約は不要です。カード明細には「DG INVOICE」などの名称で利用額が計上されるだけで、経理仕訳もシンプル。電子帳簿保存法に沿ったPDF明細のダウンロード機能も備わり、クラウド会計ソフトへの取り込みがスムーズです。
主なメリット
1. 資金繰りの安定化:支払サイトを延長できるため、季節変動や突発仕入れ時のキャッシュ不足を抑制できます。2. 業務効率化:振込予約・承認フロー・紙管理が不要になり、経理工数を削減。3. ポイント付与:カード決済分のポイント・キャッシュバックがそのまま獲得できます。公式サイト
また、支払総額が大きい法人ほど振込手数料を削減でき、支払先ごとにカード決済可否を気にする必要もありません。銀行融資とは異なり与信枠の範囲内であれば即時利用できるため、「つなぎ資金のために短期借入をする」というシーンを大幅に減らせます。
手数料とコスト比較
「請求書カード払い」の手数料は税抜2.98%(2025年11月時点)で、A社5.5%・B社4.0%・C社3.0%と比較しても低水準に設定されています。カードのポイント還元率が1%の場合、実質負担は1.98%となり、振込手数料(1件300~800円程度)や銀行窓口での現金準備コストを加味すると、多くのケースでコスト優位性が生まれます。公式サイト
さらに、カード明細1件に対し複数請求書をまとめられるため、消込業務も簡潔。振込手数料無料キャンペーンやポイント倍率アップキャンペーンが随時実施されることもあり、導入初期の実質手数料負担をさらに抑えられる可能性があります。詳細はJCBまたはカード発行会社からの案内を確認しましょう。
対象となるカードと利用条件
本サービスを利用できるのは、JCBおよびJCBグループのカード発行会社(ジェーシービー、三菱UFJニコスなど)が発行する法人カード・ビジネスカード・コーポレートカードです。パートナーカード発行会社(VIEW CARDなど)のJCBブランドカードや一部プリペイドカードは対象外となるため、事前にカード裏面の発行会社名を確認してください。公式サイト
審査不要で登録可能ですが、カードの利用可能枠内でのみ決済が行われます。登録時は代表者または経理責任者の本人確認書類と、請求書PDFが必要です。利用額や業種によっては追加書類の提出を求められる場合があるため、締切直前ではなく余裕を持った登録が推奨されます。
申込から利用までの流れ
STEP1 アカウント登録:メールアドレスとパスワードを入力し、SMS認証で本人確認を実施。STEP2 取引先・請求書登録:支払先名称・銀行口座・請求金額・期日を入力し、請求書PDFをアップロード。STEP3 カード情報登録:カード番号・有効期限・セキュリティコードを入力し、二段階認証を完了。公式サイト
審査結果は24時間以内にメール通知され、承認後「決済実行」を押すとデジタルガレージが取引先へ即日~翌営業日に振込を行います。取引先には「カード代行払い」の旨が記載された入金明細が届き、請求書は消し込み済みとなるため追加対応は不要です。決済実行後は専用ダッシュボードで進捗と振込完了日をリアルタイム確認できます。
資金繰り改善の具体例
事例① 小売業:月末に1,000万円の仕入れを行うA社は、請求書カード払いを用いて40日後のJCB引き落とし日に資金を用意。繁忙期の売上で資金を確保できたため、短期借入を回避し金利負担をゼロにできました。ニュースリリース
事例② ITベンチャー:賞与月に外注費が集中するB社では、請求書カード払いを利用して支払ピークのタイミングを分散。営業キャッシュフローを維持しながら採用活動を継続でき、成長投資を止めずに済んだという声もあります。
インボイス制度・電子帳簿保存法との相性
2023年10月施行のインボイス制度では「適格請求書」の保存が求められ、2022年改正電子帳簿保存法では電子データ保存が義務化されました。請求書カード払いはアップロードした請求書PDFとカード決済データを紐づけて保管できるため、紙保管の手間を減らし法令対応を簡素化します。公式サイト
また、タイムスタンプや検索機能を備えたダッシュボードは電子帳簿保存法の要件に沿った仕様となっており、将来的な税務調査でも安心です。クラウド会計ソフトとのAPI連携も順次拡大予定で、仕訳自動化がさらに進むことが期待されています。
注意点・リスク管理
カード利用枠超過時は決済がエラーとなるほか、分割・リボ払いには対応していません。利用者の信用状況によっては予告なくサービス利用が制限される場合があります。また、手数料2.98%は今後改定される可能性があるため、最新版は公式サイトで確認してください。公式サイト
取引先視点では「振込名義が利用者名ではない」といった問い合わせが発生しやすいため、導入時にあらかじめ周知しておくとトラブルを防げます。加えて、カード締日と請求書期日のギャップを誤認すると資金計画が狂う恐れがあるため、毎月のキャッシュフロー表でシミュレーションを行いましょう。
よくある質問と回答
Q. 誰でも使えますか?
A. 法人と個人事業主が対象です。個人カードやパートナーカード発行会社のカードは利用できません。
Q. 利用限度額はいくらですか?
A. カード利用可能枠の範囲内で、1請求書あたりの上限はありません。ただし高額決済は事前にカード会社へ連絡すると承認がスムーズです。
Q. 取引先への入金はいつ?
A. 決済実行ボタンを押した当日~翌営業日にデジタルガレージが振込を行います。入金が完了するとメールで通知され、ダッシュボードにも反映されます。
Q. キャンセルは可能?
A. 振込前であればダッシュボードから取消手続きが可能です。振込後はカード払いキャンセルとなり、取引先との調整が必要になります。
石井英治
資金調達アドバイザーとして企業・個人の資金繰りのサポートを行う。モットーは「資金調達は安全で信頼できるサービスを選べ」。業界歴25年。