銀行振込の“突合ゼロ”へ—TREE PAYMENT入金管理サービスが2026年3月始動、CSS×GMOイプシロン協業の全貌
TREE PAYMENT入金管理サービスとは
株式会社シーエスエス(以下、CSS)は2025年12月23日、GMOインターネットグループのGMOイプシロン株式会社と協業し、銀行振込の消込作業をゼロに近づける「TREE PAYMENT-入金突合ゼロVAce(ベース)-」を2026年3月に提供開始すると発表しました。専用のバーチャル口座を請求書単位で自動発行し、入金状況をほぼリアルタイムに可視化することで、バックオフィス業務の負担を大幅に軽減します。公式プレスリリースによれば、同サービスは銀行振込を利用する企業の「見えない手間」を解消することを目的に設計されています。
従来の銀行振込では、全銀システムの仕様上、振込依頼人名が自由入力のために「誰からの入金か」を目視で確認・突合しなければならず、学習塾や会費徴収など少額多頻度の集金現場では特に事務コストが膨らんでいました。TREE PAYMENTはこの課題を根底から解決し、DXを加速させる入金管理の新しいスタンダードを打ち立てようとしています。
サービス開始の背景
日本企業の多くは依然として銀行振込を主要な決済手段としており、紙の請求書に基づく入金確認や消込作業が生産性を阻害する大きな要因でした。CSSは収納代行サービスで培った約5,500万件/年の口座振替処理実績を背景に、業界の“痛点”を熟知しています。一方、GMOイプシロンはオンライン決済インフラ「fincode by GMO」を通じてバーチャル口座の大量発行・自動照合技術を磨いてきました。両社は「銀行振込にまつわる非効率の解消」という共通ミッションで合意し、協業に至りました。
プレスリリースにもある通り、振込専用口座の自動発行と入金情報の即時連携は、従来2~3営業日かかっていた入金確認プロセスを短縮し、督促コストや人的工数の削減につながります。GMOイプシロン発表資料では、DX推進の一環として企業成長に寄与することが強調されています。
主な機能とメリット
- ユニークVA発行:請求書・顧客ごとに一意のバーチャル口座(VA)を自動生成し、入金と請求を確実にひも付け。
- リアルタイム可視化:ダッシュボードで入金状況を即時表示し、過不足や未入金を一目で把握可能。
- ステータス管理:顧客名・支払期限・金額で検索・絞込でき、「完了/督促/返金対応」などの進捗をチームで共有。
- 督促コストの削減:自動マッチングにより電話・メールによる督促回数を抑制し、人件費を圧縮。
- API連携予定:将来的に外部基幹システムとのAPI連携を拡充し、データ入力の二重手間を排除。
こうした機能は「振込消込ゼロ」を掲げるコンセプトを体現し、特に月謝・会費ビジネスやBtoB請求の多い事業者に大きなメリットをもたらすと期待されています。
GMOイプシロンとの協業ポイント
技術面では、GMOイプシロンの「fincode by GMO」が提供するREST APIと銀行振込VAエンジンが基盤となります。拡張性を重視した設計思想により、導入事業者は最短1日で開発検証用環境を利用できる点が特徴です。2025年6月には同基盤がModel Context Protocol(MCP)にも対応し、AIエージェントとの連携が可能になったことで、更なる自動化の余地が広がっています。
CSSはカスタマーサクセス視点で導入支援・サポートを担い、サービス立ち上げ後も加盟店の業務フロー改善を伴走型で支援します。役割分担を明確にすることで、決済システムの堅牢性と業務ノウハウを融合したシームレスな体験を提供できる点が協業の肝要です。
利用シーンの具体例
- 教育機関:学習塾の月謝では、保護者名義と受講生氏名の不一致が頻発。VAを児童ごとに発行することで自動突合が可能に。
- 不動産管理:家賃振込で部屋番号や名義が間違っていても、部屋単位でVAを発行すればヒューマンエラーを防止。
- BtoB取引:取引先ごとに専用口座を割り当てることで、入金確認工数を削減し、経理部門の締め作業を短縮。
- サブスクリプション:月額課金サービスで、未入金アラートと督促ステータスを自動管理し、解約率の低減に寄与。
これらのシーンでは、人的リソースを売上創出活動へ再配分できるため、コスト削減と収益向上の両立が可能です。
導入ステップ
TREE PAYMENTの導入は最短3ステップで完結します。
- ①問い合わせ:専用フォームから資料請求・デモ申込。
- ②テスト接続:fincode by GMOのサンドボックス環境でAPI連携を確認。
- ③本番運用:CSSサポートチームが設定代行し、サービス稼働後も運用フォロー。
初期費用・月額費用が無料のため、スモールスタートしやすい点も評価されています。
今後のロードマップ
プレスリリースでは、以下の機能拡充が公表されています。
- 振込専用口座の大量発行対応
- 請求額と入金額が完全一致した場合のみ決済完了とする機能
- 外部システムとのAPI連携強化
これにより、より多様な業種・業態での利用を見据え、TREE PAYMENTのエコシステムを拡大する方針です。
編集部まとめ
銀行振込は日本企業の歴史ある支払手段である一方、入金管理の自動化は長年の課題でした。TREE PAYMENTは「突合作業ゼロ」を掲げ、専用口座とリアルタイム可視化でその課題を根本的に解決します。CSSの業務知見とGMOイプシロンの決済テクノロジーが融合した本サービスは、2026年3月の正式リリース後、バックオフィスDXの新たな選択肢として注目されるでしょう。振込に伴う“見えない手間”を無くし、本来注力すべきコア業務にリソースを集中できる環境が整うことは、多くの事業者にとって大きな価値となるはずです。
石井英治
資金調達アドバイザーとして企業・個人の資金繰りのサポートを行う。モットーは「資金調達は安全で信頼できるサービスを選べ」。業界歴25年。